3坪のアトリエに、朝の光が差し込む。
机と椅子と、スケッチブックがひとつ。
キミはその椅子に座り、筆を手に取る。
SNSを開けば、誰かが展示を終え、誰かが賞を取り、誰かがバズっている。
まるで“描くこと”にも速さや評価が求められているような、そんな空気が苦しくて。
いつの間にか、描くことから遠ざかっていた。
⸻
このアトリエに出会ったのは、偶然だった。
何気なく見ていたレレレ不動産という不動産屋のSNSのストーリー。
「創作に集中できる3坪の個室。
奥には共有アトリエ。
ひとりになりたいあなたと、誰かとつながりたいあなたへ。」
なにそれ。ちょっと気になる。
でもキミはしばらくスマホでそのページを開いたまま、DMボタンを押せなかった。
⸻
数日後、ふと思い立って見学に行った。
山手にあるので少し坂道。戸建て..なのか?。
ドアを開けると向こうに広がっていたのは、静かで不思議な空間だった。
小さな個室が並び、さらに奥には広めの共有アトリエ。
絵を描く人、動画を作る人、木を彫る人。
みんな黙々と、でもどこか楽しそうに何かを“つくっていた”。
「あ、こういう場所…ほしかったんだ。」
気づいたら、申込書を書いていた。
⸻
個室は、ほんとうに小さい。
けれどその狭さがちょうどいい。
なにも考えずに、ただ筆を走らせる時間が、戻ってきた。
筆が紙を滑る音。
となりの部屋で何かを削る音。
奥の共有アトリエから、誰かが「できた!」と笑う声。
誰にも見せなくても、描くことがまた楽しくなった。
自分の世界にこもれるこの空間が、キミにとっての舞台になっていた。
⸻
ある日、共有アトリエで小さなイベントが開かれることになった。
住人たちがそれぞれの作品を持ち寄る、いわば“非公式展示会”。
無理に出さなくてもいい。そう言われたけど、キミは悩んだ。
「見せるつもりなんてなかったし、まだ完成とも言えないし…」
でも、あるイラストの前で立ち止まっていた女性が言った。
「この表情、なんかすごくいいですね。
…私、今ちょっと落ち込んでたんですけど、なんか、救われました。」
キミは、驚いた。
たった1枚の、誰にも見せるつもりのなかった絵。
でも、誰かに届いた。それがうれしかった。
⸻
そこから少しずつ、キミの描くものが変わり始めた。
“うまく描こう”ではなく、“感じたものを素直に描こう”。
誰かの評価ではなく、自分の心が動くかどうかを大事にした。
いつの間にか、他の住人とも自然に言葉を交わすようになっていた。
「最近どう?」
「進んでる?」
「こないだの絵、あれすごくよかったよ」
ここでは、誰も競っていない。
ただ、それぞれの“ものづくり”に向き合っている。
⸻
3坪の個室は小さいけれど、
キミにとっては、自分を取り戻した場所だった。
いつか外の世界にまた出ていく日が来るかもしれない。
個展を開くかもしれないし、開かないかもしれない。
でも、キミはもう知っている。
筆を持ち、描くことが、自分の生き方だということを。
机と椅子と、スケッチブックがひとつ。
キミはその椅子に座り、筆を手に取る。
SNSを開けば、誰かが展示を終え、誰かが賞を取り、誰かがバズっている。
まるで“描くこと”にも速さや評価が求められているような、そんな空気が苦しくて。
いつの間にか、描くことから遠ざかっていた。
⸻
このアトリエに出会ったのは、偶然だった。
何気なく見ていたレレレ不動産という不動産屋のSNSのストーリー。
「創作に集中できる3坪の個室。
奥には共有アトリエ。
ひとりになりたいあなたと、誰かとつながりたいあなたへ。」
なにそれ。ちょっと気になる。
でもキミはしばらくスマホでそのページを開いたまま、DMボタンを押せなかった。
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数日後、ふと思い立って見学に行った。
山手にあるので少し坂道。戸建て..なのか?。
ドアを開けると向こうに広がっていたのは、静かで不思議な空間だった。
小さな個室が並び、さらに奥には広めの共有アトリエ。
絵を描く人、動画を作る人、木を彫る人。
みんな黙々と、でもどこか楽しそうに何かを“つくっていた”。
「あ、こういう場所…ほしかったんだ。」
気づいたら、申込書を書いていた。
⸻
個室は、ほんとうに小さい。
けれどその狭さがちょうどいい。
なにも考えずに、ただ筆を走らせる時間が、戻ってきた。
筆が紙を滑る音。
となりの部屋で何かを削る音。
奥の共有アトリエから、誰かが「できた!」と笑う声。
誰にも見せなくても、描くことがまた楽しくなった。
自分の世界にこもれるこの空間が、キミにとっての舞台になっていた。
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ある日、共有アトリエで小さなイベントが開かれることになった。
住人たちがそれぞれの作品を持ち寄る、いわば“非公式展示会”。
無理に出さなくてもいい。そう言われたけど、キミは悩んだ。
「見せるつもりなんてなかったし、まだ完成とも言えないし…」
でも、あるイラストの前で立ち止まっていた女性が言った。
「この表情、なんかすごくいいですね。
…私、今ちょっと落ち込んでたんですけど、なんか、救われました。」
キミは、驚いた。
たった1枚の、誰にも見せるつもりのなかった絵。
でも、誰かに届いた。それがうれしかった。
⸻
そこから少しずつ、キミの描くものが変わり始めた。
“うまく描こう”ではなく、“感じたものを素直に描こう”。
誰かの評価ではなく、自分の心が動くかどうかを大事にした。
いつの間にか、他の住人とも自然に言葉を交わすようになっていた。
「最近どう?」
「進んでる?」
「こないだの絵、あれすごくよかったよ」
ここでは、誰も競っていない。
ただ、それぞれの“ものづくり”に向き合っている。
⸻
3坪の個室は小さいけれど、
キミにとっては、自分を取り戻した場所だった。
いつか外の世界にまた出ていく日が来るかもしれない。
個展を開くかもしれないし、開かないかもしれない。
でも、キミはもう知っている。
筆を持ち、描くことが、自分の生き方だということを。
3坪から始まる、あなたの世界
賃貸用物件
事業用物件
物件登録日
2025年03月26日
物件状況
募集中
価格
35,000万円
敷金 / 礼金
無 / 無
特徴・こだわり
DIY可能
共有アトリエ付き
建物設備
プロパンガス
駐輪場
設備
室内洗濯機
ユニットバス
ミニキッチン
学区
間取り
1R+共有アトリエ
広さ
9.9㎡
エリア
大阪府 八尾市郡川
交通
近鉄信貴線 信貴山口駅 徒歩7分
近鉄信貴線 服部川駅 徒歩9分
所在地
築年数
1975年3月
階/総階数
1 / 2
駐車場
近隣
建物構造
木造
備考
水道代込
物件の特徴
・入居者専用の共有アトリエ付き
・元学生寮を創作活動の場にコンバージョン
・3坪の個室はDIY可能
・少し歩けば自然を感じれる環境